ロミーの怪談日記

路美子(ロミー)と申します。大学在学中。半創半実(半分創作半分実話)の怪談集です。実体験をはじめ、人から聞いた話や身近に起こった話など。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

海のお姉さん(後)

おねえさんが作ったという砂のお城は、それは見事なものだった。 外壁は何か固いヘラで整えたかのように滑らかで、所々にホグワーツを彷彿とさせる鋭く尖った屋根が見えている。 「俺はこっちでお山作るから」K兄はせっせと砂をかき集めていく。 「ロミちゃ…

海のお姉さん(前)

私がまだ幼稚園の頃、夏休みの最中田舎にある母方の祖母の家で過ごしていた時に起こった話。その時は、例の親戚のお兄さん(今はともかく当時は本当にお兄さん)であるK兄が東京から遊びに来ていて、昼食後私を連れて近所の海へと連れて行ってくれていた。 …

K神社(後)

かくれんぼの最中、私が神社の奥の茂みの中に隠れていると(元)クラスメイトのMちゃんが「ここ、一緒にいい?」とやって来た。 Mちゃんは同級生の中でもかなり顔が可愛い方の部類に入る女子で、その上勉強もできるらしく春からは私立中学に進むことが決まっ…

K神社(前)

私が中学生の頃、部活の先輩たちや友人と一緒に近場のショッピングモールまで遊びに行ったことがある。住んでいる地域がそもそも田舎のため、休日に遊びに行くところと言えば映画館のある大型のショッピングモールや互いの家くらいしか選択肢が無かったのだ…

門に佇む影

突然の来訪者というのは、たとえそれが人間であろうとそうでなかろうと厄介なものだ。 私の家の外には、ちょっとした門のようなものが玄関から通路を通って階段を降りた先にある。そしてその門はダイニングの窓から様子を窺えるようになっていた。 私が小学…